築20年中古住宅のリノベーション|賢く快適な住まいを実現するポイント
- リフォームコラム
築20年の住宅はある程度の経年劣化が見られ始める一方で、築浅物件に比べて購入価格が抑えられるため、中古物件としては非常に魅力的です。
築20年程度の物件は部位を絞ってリノベーションすることで、費用を抑えて快適なお住まいを実現できます。
こちらの記事では築20年の物件でリノベーションを検討したい工事内容と費用をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
目次
築20年の住宅で特にリノベーションした方が良い箇所
これまで使用されてきた環境やメンテナンス状況によって状態は異なります。
築20年の住宅は一般的に以下の箇所は劣化が進んでいる可能性が高く、リノベーションを検討する際に特に重点的にチェックすることをおすすめします。
1. 水まわり(キッチン、浴室、トイレ、洗面所)
水まわりの設備は毎日使う場所であるため、最も経年劣化が進みやすい箇所です。
築20年ともなると、機能面や衛生面で不満が出てくることが多いでしょう。
設備の寿命
一般的に給湯器は10〜15年、ユニットバスやキッチン・トイレ・洗面化粧台は15〜25年が交換の目安とされています。
築20年の物件であれば、これらの設備のほとんどが寿命を迎えているか、間もなく寿命を迎える時期に差し掛かっています。
機能性の向上
築20年前の設備と現在の最新設備では、節水・節電性能、清掃性、収納力、デザイン性において大きな差があります。
リノベーションで最新の設備に交換することで、日々の暮らしの快適性が格段に向上し、光熱費の削減にも繋がります。
カビや水漏れのリスク
浴室や洗面所は特に湿気がこもりやすく、壁や床、コーキングなどにカビや汚れが根深く付着している場合があります。
また、見えない部分で給排水管の劣化による水漏れが発生している可能性もゼロではありません。
これらの問題は、建物の構造材を傷める原因にもなるため、早めの対処が重要です。
2. 給排水管・給湯器
水まわり設備と並行して、配管内部の劣化も進んでいます。
給排水管
築20年の住宅では、給水管に赤サビが発生していたり、排水管内部に汚れが蓄積して詰まりやすい状態になっていたりする可能性があります。
これらを放置すると水漏れや悪臭の原因となるだけでなく、大規模な修繕が必要になることもあります。
特に、昔の給水管は鉄管が使われていることが多く、現在はより耐久性の高い素材が主流です。
給湯器
給湯器の寿命は一般的に10〜15年と言われています。
築20年であれば、すでに一度交換されているか、交換時期が迫っている可能性が高いです。
突然の故障でお湯が使えなくなると非常に不便ですので、リノベーションのタイミングで交換を検討することをおすすめします。
省エネ性能の高いエコキュートやエコジョーズに交換することで、光熱費の削減も期待できます。
3. 断熱材・窓
家を快適にして光熱費も節約したいなら、断熱性能の改善は欠かせません。
断熱材
築20年の住宅は現在の省エネ基準に比べて断熱材の量が不足していたり、施工方法が古かったりする場合があります。
断熱性能が高いと家の中の温度差が少なくなり、冬のヒートショックのリスク軽減や夏のエアコンの効きが良くなるなど一年を通して快適に過ごせます。
窓
窓は熱の出入りが最も多い場所の一つです。
単板ガラスの窓は断熱性能が低く、結露の原因にもなります。
複層ガラスへの交換や内窓設置のリフォームを行うと、断熱効果を大幅に高まり、結露が抑制され、外部からの騒音も軽減されます。
4. 内装(壁、床、天井)
内装材も経年によって劣化し、見た目だけでなく衛生面にも影響を及ぼします。
壁・天井
壁紙の剥がれ、色あせ、汚れ、タバコのヤニなどが目立つ場合があります。
また、結露などによるカビの発生も考えられます。
壁紙の貼り替えや塗装はお部屋の雰囲気を一新し、清潔感を出す上で効果的です。
床
フローリングの傷、色あせ、沈み込み、カーペットの汚れなどが気になる場合があります。
床材の貼り替えは、部屋全体の印象を大きく変え、歩き心地やお手入れのしやすさも向上させます。
5. 外壁・屋根
建物の外周部分は風雨や紫外線に常にさらされているため、劣化が避けられません。
外装のリノベーションは、美観だけでなく、建物の耐久性を維持するために非常に重要です。
外壁
築20年となると塗装の剥がれ、ひび割れ、チョーキング(塗膜が粉状になる現象)などが発生している可能性が高いです。
これらの劣化を放置すると、雨漏りや構造材の腐食に繋がる恐れがあります。
定期的な塗り替えや、サイディングの補修・交換が必要です。
屋根
屋根材の種類にもよりますが、瓦のズレ、ひび割れ、スレート屋根の色あせやコケの発生、金属屋根のサビなどが見られる場合があります。
雨漏りの原因にもなるため、点検・補修・葺き替えなどを検討しましょう。
築20年の住宅のリノベーション工事内容と費用相場
築20年の住宅のリノベーションでは、どのような工事をどのくらいの費用で行うことができるのでしょうか。
ここでは、主な工事内容とそれぞれの費用相場をご紹介します。
費用は建材や設備のグレード、工事の規模、業者によって大きく変動しますので、あくまで目安としてご活用ください。
水まわり全体のリノベーション
キッチン、浴室、トイレ、洗面所の水まわり全体を刷新する場合、設備の入れ替えだけでなく、配管工事や内装工事も伴います。
工事内容
システムキッチン交換、ユニットバス交換、トイレ交換、洗面化粧台交換、給排水管の点検・交換、内装(壁・床・天井)の貼り替えなど。
費用相場
設備のグレードや工事の範囲によって大きく異なります。
例えば、高機能なアイランドキッチンや、広い空間のバスルームにすると費用は高くなります。
・キッチン交換:80万円~
・浴室・ユニットバス交換:80万円~
・洗面化粧台交換:15万円~/洗面所全体リフォーム:40万円~
・トイレ交換:15万円~
内装全体のリノベーション
壁、床、天井の貼り替えを中心に、空間の雰囲気を一新します。
工事内容
全室の壁紙(クロス)貼り替え、フローリングやカーペットから新しい床材への貼り替え、照明器具の交換など。
費用相場
100万円~
使用する素材のグレードや、間取り変更の有無によって変動します。
間取り変更を伴うリノベーション
壁の撤去や新設により、リビング・ダイニング・キッチン(LDK)を一体化させたり、部屋数を変更したりする大規模な工事です。
工事内容
壁の撤去・新設、構造補強、給排水管・電気配線の移設、それに伴う内装工事など。
費用相場
300万円~
構造に関わる工事や、水まわりの位置を大きく移動する場合は費用が高額になります。
建物の構造(木造、鉄骨、RCなど)によって、可能な間取り変更の範囲も異なります。
外壁・屋根のリノベーション
建物の耐久性と美観を維持するために重要な工事です。
工事内容
外壁塗装、サイディングの補修・交換、屋根の葺き替え・カバー工法、雨樋の交換など。
費用相場
外壁塗装:80万円~
屋根葺き替え・カバー工法:80万円~
使用する塗料や屋根材の種類、建物の規模によって費用は大きく変わります。
断熱・耐震改修
見えにくい部分ですが、快適性と安全性を高める上で非常に重要な工事です。
工事内容
壁内・天井・床下への断熱材追加・交換、窓の複層ガラス化・内窓設置、筋交いや構造用合板の追加など。
費用相場
断熱改修: 50万円~
耐震改修: 100万円~
耐震改修は自治体によっては補助金が出る場合がありますので、確認することをおすすめします。
これらの費用は単体での目安であり、複数の工事を組み合わせる場合は、割引が適用されたり、逆に複雑な工事になることで割高になったりすることもあります。
必ず複数の業者から詳細な見積もりを取り、比較検討することが重要です。
築20年の住宅のリノベーションを成功させるためのポイント
築20年の住宅リノベーションを成功させるためには、以下のポイントをしっかりと押さえることが大切です。
1. 現地調査と劣化状況の把握
中古住宅は新築の住宅とは異なり、これまでの使用状況やメンテナンス状況によって劣化の進行度が大きく異なります。
リノベーションを検討する際は、必ず専門家による徹底した現地調査をお願いしましょう。
特に、水まわりの配管や構造材の腐食・シロアリの被害・雨漏りの有無など、普段見えない箇所の劣化状況を詳細に確認してもらうことが重要です。
劣化が進行している箇所を適切に補修、改修することで、将来的な大きなトラブルを防ぎ、安心して長く住める家にすることができます。
2. 予算と優先順位の明確化
リノベーションは「あれもこれも」と要望が膨らみがちですが、予算には限りがあります。
まずは、絶対に譲れない点とできれば実現したい点など、リノベーションの目的と要望に優先順位をつけましょう。
予算の上限も明確に伝え、その範囲で最大限の効果が得られるプランを業者と相談しましょう。
3. 信頼できる業者の選定
住宅のリノベーションは、既存の建物の状態を見極め、適切な診断と提案ができる専門知識と技術が求められます。
過去の施工事例を参考に、ご自身のイメージに合ったデザインや技術力を持つ業者かを確認しましょう。
また、長期間にわたる打ち合わせや工事を行うため、担当者とのコミュニケーションが円滑にとれるか、要望をしっかりと汲み取ってくれるかなど、信頼関係を築けるかどうかも重要な判断基準です。
4. 構造に関する知識の確認
築20年の住宅は多くの場合、新耐震基準に基づいて建てられていますが、より安全性を高めるために耐震診断を受け、必要であれば耐震補強を検討することも重要です。
大規模な間取り変更を行う場合は構造材への影響を考慮し、専門家による構造計算や補強が必要になることがあります。
既存の建物の構造を理解し、無理のないリノベーション計画を立てることが、安全で安心な住まいを長く維持するために不可欠です。
5. 補助金・助成金制度の活用
国や地方自治体では、省エネ改修(断熱改修、高効率設備導入など)、耐震改修、バリアフリー改修、長期優良住宅化リフォームなど、特定の条件を満たすリフォームに対して補助金や助成金制度を設けている場合があります。
これらの制度を活用することで、リノベーション費用の一部を賄うことができ、自己負担を軽減できます。
リフォーム業者に相談すれば、最新の補助金情報を教えてくれることも多いので、積極的に活用を検討しましょう。
リノベーションは単に古くなった部分を新しくするだけでなく、ライフスタイルに合わせて間取りを変更したり、最新の設備を導入したりすることで、新築以上の快適性と価値を持つ住まいへと生まれ変わる可能性を秘めています。
水まわり、給排水管、断熱材、窓といった主要な劣化箇所を重点的に見直し、適切な工事を行うことで、住み心地の向上はもちろん、光熱費の削減や建物の長寿命化にも繋がります。
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