お風呂リフォームで防カビ|いつでも綺麗な浴室へリフォーム
- リフォームコラム
一日の終わり、温かい湯船に浸かり疲れを癒すお風呂タイムは、まさに至福のひとときです。
しかし、そんな大切な浴室が、気づけば黒カビやピンクヌメリに覆われていては、心身ともにリラックスすることは難しいでしょう。
「掃除をしてもすぐにカビが生える」「タイルの目地が真っ黒で落ちない」「浴室全体が常にジメジメしている」といったカビのお悩みは、市販のカビ取り剤や日々の清掃だけでは、一時的な効果しか得られないのが実情です。
なぜなら、浴室のカビは構造や建材、換気などの設備に起因する根本的な問題が背景にあることがほとんどだからです。
こちらのコラムでは、カビの発生メカニズムから浴室リフォームのポイントをご紹介します。
理想のお風呂を実現するために、ぜひ参考にされてください。
目次
お風呂のカビはこれが原因だった
浴室にカビが発生する現象は単なる汚れの問題ではなく、カビという微生物の生態に基づいた「科学的」な要因が複雑に絡み合って生じます。
このメカニズムを理解することが、効果的な防カビ対策の起点となります。
カビの成長には、主に以下の4つの要素が不可欠です。
お風呂の高い湿度(水分)はカビの「生命線」
カビは真菌類に属する微生物であり、その生育には水分が不可欠です。
湿度が60%を超えるとカビの活動が活発化し始め、80%以上になると急速に繁殖します。
特に、水滴が長時間留まる場所(タイルの目地・コーキング・床の溝・壁の隅など)は、カビの胞子が付着し発芽・成長するための最適な環境となります。
換気が不十分だと、この高湿度が長時間持続しカビの繁殖を加速させます。
適度な温度はカビの「活動適温」
カビは20℃~30℃の温度帯で最も活発に繁殖します。
これは、人間が快適と感じる浴室の温度とほぼ一致するため、浴室はカビにとって一年を通して活動しやすい環境と言えます。
冬場でも浴室暖房などで温められた浴室は、入浴後も温度が下がりにくく、湿気と相まってカビの温床となりやすいです。
特に、壁や天井の表面温度が室温より低い場合に発生する「結露」は、水滴となってカビに直接水分を供給してしまいます。
カビの「食料」は豊富な栄養源(有機物)
カビは皮脂汚れ、石鹸カス、シャンプーやリンスの残り、垢、髪の毛、水垢、さらには空気中のホコリやダニの死骸など、あらゆる有機物を栄養源として利用します。
これらの汚れは浴室の壁や床、目地、排水口、浴槽のエプロン内部など、様々な場所に付着・蓄積します。
汚れが豊富に存在することで、カビは爆発的に増殖していきます。
酸素はカビの「呼吸源」
ほとんどのカビは好気性微生物であり、生育には酸素を必要とします。
浴室は完全な密閉空間ではないため、常に空気の供給があり酸素が不足することは稀です。
そのため、上記の湿度・温度・栄養源の3条件が揃えば、カビは容易に繁殖し、目に見える形で現れてしまうのです。
市販のカビ取り剤は表面のカビを除去する効果はありますが、建材の奥深くに根を張ったカビや、カビの根本原因となっている構造上の問題までは解決できません。
そのため、専門的な視点からのリフォームによる根本解決が不可欠となるのです。
お風呂のリフォームで防カビ、カビ知らずの浴室へ
カビ知らずの快適な浴室を実現するためには、前述したカビの発生メカニズムを逆手に取り、それらを抑制する設計と素材選びが重要です。
断熱性能アップリフォームで防カビ
結露はカビの直接的な原因となるため、浴室の断熱性能向上は防カビリフォームにおいて非常に重要です。
浴室全体を高断熱に
ユニットバスへの交換時には、壁、天井、床下など、浴室を構成する全面に高性能な断熱材を充填することが必須です。
外気の影響を受けにくくなり、浴室内の温度が一定に保たれやすくなります。
結果として、壁や天井の表面温度が露点温度以下になることを防ぎ、結露の発生を大幅に抑制します。
高断熱浴槽や高断熱風呂フタを併用することで、追い焚きの回数を減らし、湿気発生源を抑える効果も期待できます。
窓の断熱改修と防露対策
浴室の窓は、外部の冷気が最も伝わりやすく、結露が発生しやすい箇所です。
既存の窓が単板ガラスの場合は、断熱性の高いペアガラス(複層ガラス)や、より高性能なトリプルガラスへの交換を推奨します。
さらに効果的なのは、内窓(二重窓)の設置です。
既存の窓の内側に樹脂製の内窓を設置することで、窓と窓の間に空気層ができ、高い断熱効果を発揮します。
窓の結露を劇的に減らすことで、カビの発生リスクを低減します。
防カビ・抗菌・防汚性能に優れた建材でリフォーム
カビの栄養源となる汚れが付着しにくく、清掃しやすい素材を選ぶことは、日常的なカビ対策において極めて効果的です。
高性能防カビ・抗菌壁パネルと床材
最新のユニットバスの壁パネルや床材には、以下のような高機能素材が採用されています。
●防カビ剤練り込み素材
素材自体にカビの発生を抑制する成分が配合されており、カビが根を張りにくく、繁殖しにくい構造になっています。
●親水性・撥水性表面加工
親水性の高い表面は水滴が膜状に広がり、水切れが良く乾燥しやすいさため、水垢やカビの付着を抑制します。
撥水性の高い表面は、水滴が玉状になり流れ落ちやすいため、水滴の残りを減らします。
メーカーや製品によって特性が異なるため、ライフスタイルに合わせた選択が重要です。
●抗菌・防汚加工
菌の増殖を抑える抗菌剤が配合された素材や、汚れが付着しにくいフッ素系、ナノレベルの特殊コーティングが施された素材は、石鹸カスや皮脂汚れの付着を抑制し、清掃の手間を軽減します。
●目地レス構造
ユニットバスは、壁と床の継ぎ目を最小限に抑え、目地がほとんどない構造です。
さらに、最新のユニットバスでは、壁と床の間のシーリング材にも防カビ剤が配合されている製品が多く、カビ発生リスクをより低減します。
特に床材では、TOTOの「ほっカラリ床」やLIXILの「キレイサーモフロア」のように、水の表面張力を壊し、水膜を広げることで水はけを促進する独自の加工が施され、乾燥性に優れている製品は、カビ対策に非常に有効です。
お手入れしやすい排水口と浴槽エプロン
排水口は、髪の毛やヌメリが溜まりやすく、カビの温床となりやすい場所です。
最新のユニットバスの排水口は、以下のような工夫が凝らされています。
●ヘアキャッチャーの形状改良
髪の毛が絡まりにくく、まとまりやすいため、簡単に捨てられます。
抗菌加工が施された製品もあります。
●排水トラップのシンプル化
凹凸が少なく、清掃しやすい構造になっています。
浴槽からの排水が渦を巻き、排水口のゴミをまとめる「うずの力」で清潔を保つタイプもあります。
●浴槽エプロン内部
エプロン内部は湿気がこもりやすくカビが生えやすい場所ですが、取り外しが容易で、内部を清掃しやすい構造の浴槽が増えています。
専門業者による定期的なエプロン内部清掃も検討すると良いでしょう。
物を置かない収納
シャンプーボトルや石鹸、洗面器などを床や浴槽の縁に直置きすると、その下に水が溜まり、カビが発生しやすくなります。
壁付けのシャワーラック、ニッチ棚(壁をくぼませて作る棚)、またはマグネット式の収納グッズなどを設置し、できるだけ床に物を置かないフロートデザインを取り入れましょう。
換気システムと空気循環の抜本的改善
浴室の湿度をいかに効率的かつ継続的に排出するかが、防カビ対策の最も重要な鍵です。
高性能換気扇・浴室換気乾燥暖房機の導入
既存の換気扇が老朽化している場合や、換気能力が不足している場合は、より大風量かつ省エネ性能に優れた換気扇への交換を推奨します。
特に、24時間換気機能を備えた換気扇は、常に浴室内の空気を入れ替えることで、カビの発生を抑制します。
さらに効果的なのは、浴室換気乾燥暖房機(以下、浴室乾燥機)の導入です。
換気機能に加え、暖房、涼風、乾燥機能が一体となっており、入浴後の「乾燥運転」により、浴室内の湿気を短時間で強力に除去できます。
最新の浴室乾燥機には、「プラズマクラスター」や「ナノイー」といったイオン発生機能が搭載され、空気中のカビ菌を抑制する効果も期待できます。
また、衣類乾燥機能も兼ね備えているため、雨の日の洗濯物干し場としても活用でき、生活の質を向上させます。
導入の際はダクト工事や電源工事の有無を確認し、適切な機種選定と設置位置の検討が必要です。
浴室ドアも換気の経路
浴室の換気は、吸気と排気の経路が適切に確保されて初めて効果を発揮します。
浴室ドアの下部にあるガラリ(通気口)は、室内の空気を浴室内に取り込む重要な役割を果たします。
ガラリが塞がれていたり、換気能力に見合わない小ささだったりすると、換気効率が低下します。
リフォームの際には、換気効率を高めるために、吸気ガラリの大きなドアや、換気口付きのドアへの交換も検討しましょう。
浴室のカビは、単なる美観の問題だけでなく、健康リスクや精神的なストレスにも繋がる深刻な問題です。
市販のカビ取り剤では一時的な解決に留まり、根本的な原因は解消されません。
適切なお風呂リフォームを行うことで、高性能な換気設備、結露を抑制する高断熱、カビや汚れが付着しにくい防カビ・抗菌素材、そして清掃しやすい構造など、カビの発生条件を徹底的に排除した浴室が実現します。
お風呂のカビ汚れや古さ、寒さなどを解消するリフォームをご希望の場合は、ぜひ星のリフォームコメットへご相談くださいませ。